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ビジネス法務(中央経済社)連載第2回掲載のご案内「正しい」が生む組織の死角——沈黙・緊張・不安を読み解く視座

著者等 木曽 裕 弁護士
発行

中央経済社

巻号刊行年月日 2026.5.21
業務分野 一般企業法務
概要

当事務所のスペシャルカウンセル・木曽裕弁護士が、月刊誌「ビジネス法務」(中央経済社刊)にて連載中のコラム第2回が掲載されましたのでご案内申し上げます。

前回(第1回)では、ハラスメント対策が「管理職の合理的な沈黙」を生み出してしまう構造を取り上げました。制度は整ったものの、それを動かす前提設計が欠けているとき、組織は静かに萎縮し、対話も判断も痩せていってしまいます。そのメカニズムを解きほぐした内容に、多くのご反響をいただきました。

第2回のテーマは、「安全の死角」です。

事故ゼロ、労災ゼロ、ハラスメントゼロ。誰もが賛成する「ゼロ目標」は、そのままKPIに組み込まれ、表彰制度と連動することで、現場に静かな連帯感を生みます。しかしその瞬間、安全管理は「数字の維持」という集団的利益に変質し、異常の報告は集団的損失になります。「あれは、本当に報告しなければならなかったのか」——この問いが生まれるとき、組織の中で何かが止まり始めています。

報告者の正直な行為が組織の物語を終わらせてしまいます。評価基準が文化になると、人は自分自身を監視するようになります。「これは言わない方がいい」という判断は、誰かに命じられてするものではなく、自分の中で自発的に制御したものです。

本稿では、こうした構造を「統治責任」という視点から読み解いています。個人責任・構造責任に加え、「報告が届かない設計を選んだ責任」——それが統治責任です。ISOの安全マネジメント規格が言うこの概念を言語化できている組織は、驚くほど少ないのが現状です。

本当の安全とは「事故が起きていないこと」でしょうか、それとも「事故が起きても、崩れないこと」でしょうか。ヒヤリハット報告数の多さを喜べる組織が、実は最も安全な組織です。報告を増やす設計が安全を高め、報告を止める設計が安全を壊していくのです。

コンプライアンス担当者、法務部門、経営幹部の皆様に、ぜひご一読いただければ幸いです。

ビジネス法務2026年7月号〈第26巻第7号〉

著者等

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