2015年7月15日、中国最高人民法院は、「上海市高級人民法院等が中国国際経済貿易仲裁委員会及びその元分会等の仲裁機関による仲裁判断の司法審査事件について照会を求めた問題に関する最高人民法院の回答」(以下「本司法解釈」といいます。)を発表しました。
中国では、仲裁機関の中国国際経済貿易仲裁委員会(CIETAC)で内紛が発生し、上海国際経済貿易仲裁委員会/上海国際仲裁センター(SHIAC)及び華南国際経済貿易仲裁委員会/深圳国際仲裁院(SCIA)が独立して以来、実務上、独立前にした仲裁合意に基づきいずれの仲裁機関に仲裁を申し立てるべきかについて混乱が生じており、仲裁が受理され、仲裁判断を得たとしても、仲裁合意と異なる仲裁機関が案件を扱ったとして、仲裁判断が取り消されたりその執行が拒絶されたりするリスクがあるともされていました。
本司法解釈は、この混乱に終止符を打つものであり、実務的に非常に重要なものです。そこで、本ニューズレターにおいては、本司法解釈の内容についてご説明いたします。