ダイナミックさと、緻密さをもって
資金調達、事業開発を支援する。
私の専門分野は事業再生とファイナンスです。北浜法律事務所に入所してから、事業再生案件、M&A案件など様々な案件に関与させていただきながら、「いつかはファイナンス分野に取り組みたい」と思っていました。
ファイナンス分野に興味を抱いたきっかけは、司法修習で受けたファイナンスに関する講義で、六本木ヒルズ開発のための資金調達法を教えていただいたことです。それまで弁護士イコール訴訟・紛争対応というイメージが強く、こんなにも大きな都市の再開発に弁護士が関わっているということを知ってとても驚きました。なにより、何かを作り上げるという前向きな仕事にとても魅力を感じました。しかも、そのスキームは非常に合理的で、全部に法的な理由がある。「いつかこんな仕事をしてみたい」と強く思いました。
入所をして、様々な案件に関与させていただいてもその思いに変わりはなかったので、入所1年目の終わり頃に「ファイナンスを専門分野にしたいです!」と宣言して、その後からファイナンスの案件を集中的にいただけるようになりました。
ちょうどその当時、金融商品取引法や信託法の大改正があったのも私にとってはラッキーでした。新しい法律には、1年目だろうと何年目だろうとキャリアに関係なく取り組めますから。また、うちの事務所は女性だからといっていい意味で意識されず、みんながキャリアアップを応援してくれる、そしてノビノビやれる雰囲気があるのも私にとってプラスでした。
例えば、ストラクチャード・ファイナンスでは、各種法規制等をクリアするようにスキームを検討・組成するというダイナミックさを持ちつつ、それぞれの契約書が法的に問題ないようにチェックすることは当然のことながら、それら多数の契約書で成り立つスキームがきちんとワークするように連携しているか全ての契約書をチェックするということも重要です。
チームで取り組むことも多いです。何十億、何百億といった資金や開発事業を動かすダイナミックさの裏側には、とても緻密な仕事があります。いつまでに資金を調達するというタイムスケジュールが決まっているので、スケジュールがタイトなことが多いですが、開発がスタートした、開発物件が竣工したという報告を受けるとすごく嬉しいですね。
あらゆる場面で、弁護士として何ができるかを追求。
他方で、事業再生での様々な経験が、ファイナンス案件で特に債権者側の立場で生きてくるということが多く、私にとって両者は密接に関連する仕事です。事業再生は、ダイナミックでありながら、たくさんの人たちの気持ちが複雑に絡み合う現場でもあります。
事業再生に限りませんが、あらゆる場面でクライアントのお話をよく聴き、真の問題点は何かを様々な観点から質問をして、本音を掘り当てます。そうしながらも自分が弁護士として何ができるか、何をアドバイスできるかを客観的に考えるようにしています。クライアントとはいつも良きパートナーとして案件に一緒に取り組む感覚でいます。
大阪大学大学院高等司法研究科などで信託法を教えています。信託自体が好きなのでずっと勉強を続けてきました。執筆やセミナーも数多くやっています。信託は昔からある法律ですが、信託法が改正されてまだ10数年であり、裁判例も少なく、実務でどのように解釈し運用するべきかは実務家に委ねられているところもあります。民事信託は事業承継にも活用が期待される分野ですが、今は実務が先行しているので、これからは様々な法的問題が具体化してくるかもしれません。
そういった場面も想定して、深い専門的な知識でもって対応をしていきたいと思います。また別の分野との結びつきも生まれるかもしれません。常にクライアントのニーズをとらえて、新しい動きにも対応していきたいと思いますね。
クライアントとともに。