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公正取引委員会での実践経験。
独禁法、景表法、下請法の専門家へ。

弁護士になろうと思ったのは、大学時代に入っていた法律相談部というサークルで一般の方に向けて無料の法律相談をしたりする中で、法的なアドバイスをして人の役に立てる仕事に魅力を感じ、司法試験の勉強をしてみようと思ったかきっかけでした。大学では民法のゼミに入っていましたが、講義で聞いた独占禁止法の分野が世の中で起こっている企業活動と密接にかかわっており面白そうだと感じていました。

司法試験に合格して、北浜法律事務所に入ってからは倒産事件に携わることが多かったですが、事務所の取扱い分野を広げるために独占禁止法分野の専門家になるにはどうしたらいいか考え、公正取引委員会で任期付公務員として勤務して実際に独禁法の執行を行っている行政機関のなかで、実務を経験することで専門性を身に付けようと考えました。

私は、当時公募されていた公正取引委員会での任期付公務員に応募して、平成18年4月から、公正取引委員会で勤務することになりました。公正取引委員会は、事業者による公正で自由な競争を促進するために独占禁止法の法執行等を担当している行政機関で、私は事務総局審査局に所属して、審査専門官として主として独占禁止法(カルテル、談合)及び景品表示法の違反事件の審判対応業務、優越的地位の濫用事件の審査業務を行っていました。

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公正取引委員会の調査は、事前に予告無しに企業を訪問して、独占禁止法上の調査権限に基づいて会社の従業員の方の机やキャビネットにある資料やパソコンの中のデータなどを見せてもらい、必要なものを提出してもらって、持ち帰ります。こうした調査に先立って、どのように調査をしていくか計画を立てたり、提出してもらった資料やデータを読み込んだり、実際に従業員の方を一人一人呼んで、話を聞き、供述調書を作成したりという作業もしていました。

具体的な事件処理において、書籍等では学べない実務上問題点について考える機会を得ることができ、そこで知り得た業務の実際や知見は、今、独占禁止法の案件を扱う上での大きな財産になっています。

企業は、独禁法リスクをいかにコントロールするか。

独占禁止法は、様々な企業や業界で問題になることが多いです。大企業だけではなく、ニッチな市場で有力な中小企業でも問題になるケースもあります。独占禁止法違反に対しては、課徴金という行政上の制裁があり、課徴金が数十億円課されるケースも多く、企業への影響も大きいです。景品表示法違反の不当表示にも課徴金制度が設けられており、不当表示に関する案件も増えている印象です。

また、独占禁止法の特別法である下請法に関する業務も取り扱いが多いですが、不当な減額等が違反であると指摘されると、過去に減額した分を下請事業者に返還を指導されますが、その額が多額に上るケースも多く、下請法違反も企業にとって大きなリスクです。

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過去には、独占禁止法違反により課徴金納付命令を受けた上場企業で、「社内できちんとコンプライアンス体制をとってなかったことが違反につながった」ということで役員個人の責任を追及する訴訟がなされたこともありますから、企業における独占禁止法コンプライアンスは引き続き重要な課題です。

また、独占禁止法、景品表示法、下請法はいずれも企業が違反を自ら発見した場合には、自主的に違反を報告することで課徴金等の不利益が軽減される制度(独占禁止法の場合は「リーニエンシー制度」とも呼ばれる課徴金減免制度)がありますが、こうした制度の内容や運用実態十分に理解して、依頼者のニーズに基づき、当局ともある面では協力して事件解決に当たることも重要になってきています。

これからもクライアントの成長のために、当局を熟知している私だからこそできるアドバイスを提供していきたいと考えています。

クライアントとともに。