ヒーロー画像
プロフィールを見る

本場でも学んだ「ハーバード流交渉術」を
実践し続けて、弁護士としての根幹に。

私は、紛争解決の場面ではもちろん幅広い取引において、あるときは前線で、あるときは裏方として、数多くの真剣な交渉を実践し、サポートしてきました。いずれの案件でも、依頼者が達成したい真のニーズを踏まえ、依頼者だけでなく相手の利害もよく分析したうえで、複数の選択肢を考えるようにしています。また、人と問題を切り離して「人にはソフトに、問題にはハードに」対応することを心がけ、交渉決裂時の最善の代替案も準備しています。それらの根幹となっているのが、原則立脚型交渉法(いわゆる「ハーバード流交渉術」)です。

大学時代、ハーバード流交渉術を本格的に学んで交渉コンペティションに出場しました。弁護士になってからも実務の様々な局面での交渉を日々実践し、修羅場もくぐってきましたが、本場のハーバード・ロースクールでさらに理解を深めたいと考え、1年間の留学を決意。交渉に関するプログラムを複数受講し知見を深めました。

イメージ写真

ハーバード流交渉術は、駆け引きや対決のようなものではありません。両当事者の真の利害に着目して問題をいかに解決するかにフォーカスするものです。一方的にこちらの達成したいことを言っても、相手としても受け入れられないため、きちんとした戦略が不可欠です。学びを深めるうちに、適切な準備と交渉プロセスを踏めば、ほぼすべてのケースで大なり小なりWin-Winとなる結果を達成することが可能であることに改めて気付かされました。

留学中は、教科書事例だけでなく、妥協点が存在しない中で頭を悩ますケースで模擬交渉をしたり、非合理的で厄介な相手との交渉の打開策を模索したりするなど、現実によくある困難な交渉の手法も学びました。私自身がクライアント役を務める中で、弁護士役の受講生に期待していた交渉をしてもらえず葛藤を覚えたり、各国トップレベルの受講生たちとの間で異文化交渉について議論を重ねたりしたことは、貴重な体験でした。苦労を重ねて体得してきた交渉術は、これからの時代も、AIで代替不可能な武器となり続けると確信しています。

社会課題の解決に取り組む企業の、
持続的な利益創出を法的にサポート。

もうひとつ、私は、社会課題の解決に取り組む企業が持続的に利益を生み続けるための法的サポートをライフワークとしています。日本での司法試験の受験が終わった直後から、アジア諸国を中心に旅をして、現地の人と話をするなかで、それぞれの文化の素晴らしい部分とともに、それぞれの地域や相対的に日本の抱えている課題についても、見えてきた部分がありました。弁護士になった後も、たとえば、南アフリカやケニアなどで貧困層が住むスラムを訪れて実際の様子を自分の目で見て現地の人と会話をし、現地で持続的に利益を出しながら貧困問題などの解決に取り組んでいる企業やNGOなどの方々とも意見交換をしてきました。社会人向けのスクールに夜間に通い、経営者やNPO代表者などとともに、ビジネスの手法を用いてイノベーティブに社会課題を解決するためにはどうすべきか、持続的に稼ぐ力を高めるには何が必要かについて議論を重ねたりもしました。

イメージ写真

「ビジネスと人権」に関しては、弁護士1年目の頃から海外の国際会議で最先端の議論に触れて刺激され、継続的に勉強してきました。シンガポールの最大手法律事務所でサステナビリティ対応の実務も学んで帰国した2022年には、日本政府が人権尊重ガイドラインを出し、日本の実務でも相談を受けることが多くなりました。他社と同様の汎用的な対応をするにとどまる企業も少なくありませんが、私は、固有の事情を丁寧に聞いたうえで、その企業の長期利益につながるアドバイスを心がけています。中小企業からの相談も増えてきました。リソースが限られている場合には、徹底的にメリハリをつけて、その企業の実情を踏まえた現実的な対応を一緒に考えるようにしています。

人権尊重の取組みにあたっては、マイノリティの方々や関係するNGO、NPOなどのステークホルダーと効果的なエンゲージメント(対話)をすることも重要です。このような対話のサポートにあたっても、ハーバード流交渉術や様々なバックグラウンドを持つ人達と直に話をしてきた経験が活きていると感じています。

今後も、世の中の動きや依頼者の要望に応じて、たとえ自分や先駆者が今まで扱ったことのないようなイシューに直面したとしても、その都度全力で必要な勉強して、所内外の専門家とも連携しながら、イノベーティブに対応する姿勢を持ち続けたいと思います。案件の規模にかかわらずどのようなご相談についても、依頼者のニーズを真摯に伺い、長期的な観点からベストなアドバイスをできるよう、全力で取り組んでまいります。

クライアントとともに。