概要
東京国税不服審判所の国税審判官として、国税組織の最終判断機関の内側から数多くの審査請求事案を調査・審理した経験を有する弁護士・税理士です。この経験と最新の租税争訟の知見、国税職員の目線を踏まえ、税務調査から審査請求・租税訴訟に至る税務紛争の各局面で、事前に的確な見通しを示し、勝ち筋を見極めた戦略的な主張・立証を尽くします。
企業法務(会社関係訴訟・M&A)全般にも長く携わっており、その知見は事業承継・組織再編に関わる租税案件で分野横断的な助言に活きています。
主な関与実績等
<税務調査・審査請求・租税訴訟>
税務調査への対応を中核に、審査請求・租税訴訟まで一貫して代理します。国税審判官・納税者代理人の双方の経験に基づき、争訟に発展した場合の見通しを見据えた調査段階の対応を重視しています。
租税訴訟:
固定資産税に関する租税訴訟(いわゆる「南御堂事件」。『租税判例百選[第8版]』登載)において納税者代理人を務めたほか、消費税・財産評価(総則6項)に関する事案をはじめ、租税訴訟を継続的に取り扱っています。
審査請求(納税者の請求が認められた案件):
・消費税の免税規定の適用(2026)
・大型複合施設に対する不動産取得税の課税(2025)
・事業承継税制による贈与税納税猶予に関する徴収処分(2023)
・マンション販売取引における課税(2023、3件)
税務調査における対応(意見書により納税者の主張が認められた主な案件):
・価格調整金に対する国外関連者寄附金課税
・営業幹部が受領した手数料の所得帰属
・不動産取引書面の印紙税該当性
・医療法人出資持分の低廉譲渡
・アーンアウト対価の譲渡所得該当性
・リストリクテッド・ストックの退職所得該当性
・中小企業税制の適用
・リベートの所得帰属
・非上場株式の所得税・法人税法上の評価
・消費税課税
・親族内株式譲渡に対するみなし贈与課税
・美術品の相続税評価 ほか
<税理士業務支援・税賠事件>
中規模以上の税理士法人を主なクライアントに、顧問契約等により継続的にご相談を受け、民商法上の法律問題はもとより、通達等では判断が困難な税務上の問題や、調査で指摘を受け争訟化が懸念される問題について助言しています。税理士賠償責任事件では原告・被告双方の代理人としての経験を有し、いずれも実質的に依頼者側の主張が容れられる和解で解決に導いています。税理士・職員向けに、法的三段論法・事実認定・裁判例/裁決例の読み方、税賠予防に関する研修も行っています。
<事業承継・経営紛争>
家族法・相続法、会社法・M&A、金融商品取引法、信託法と税務にわたる幅広い知見を活かし、必要に応じて所内外の専門家と連携して、承継の最適解を提示します。同族内紛争・税務紛争の予防助言から、交渉・訴訟の代理まで一貫して対応します。
経歴
| 1985年6月 | 京都市生まれ |
| 2004年3月 | 滋賀県立膳所高等学校卒業 |
| 2008年3月 | 京都大学法学部卒業 |
| 2010年3月 | 京都大学法科大学院修了 |
| 2011年12月 | 司法修習修了(新64期)、弁護士登録(東京弁護士会、~2016年6月) |
| 2012年1月 | 三宅坂総合法律事務所入所 |
| 2016年7月~2019年7月 | 東京国税不服審判所勤務(国税審判官) |
| 2019年7月 | 北浜法律事務所入所、弁護士再登録(大阪弁護士会) |
| 2019年11月 | 税理士登録 |
| 2022年1月 | 北浜法律事務所パートナー就任 |
| 2026年7月 | 第一東京弁護士会に登録換え |
著書・論文
<消費税>
・「国内MCNに参加するクリエイターが国外プラットフォームへの動画投稿により広告収入を得る取引の内外判定」税務通信3891号(2026)
・「論壇 損害賠償金に対する消費税の課税」近畿税理士界735号(2025)
・「法曹が私法を通じて見出す消費税の課税要件判断のもう一つのフレームワーク」租税研究908号(2025・共著)
・「調査の事前通知後に帳簿を作成した場合の仕入税額控除の可否」税務通信3845号(2025)
・「媒介又は取次ぎに係る業務を行う者を介して行われる課税仕入れと帳簿等の記載」税務通信3828号(2024)
・「ATMの相互利用に係る手数料の用途区分」税務通信3818号(2024)
・「巻頭特集 対談 消費税争訟事案の現状と展望」T&Amaster1010号(2024)
・「提携金融機関が設置したATMに係る費用につき課税売上割合に準ずる割合を認めた事例」税務通信3768号(2023)
・「転売目的でなされた居住用賃貸建物取得の仕入税額控除を巡って」税経通信78巻7号(2023)
・「土地の返還に伴う建物解体費用の用途区分が共通対応であると判断した事例」税務通信3695号(2022)
・「エー・ディー・ワークス事件判決の検討~ムゲンエステート事件判決との違い~」旬刊速報税理39巻35号(2020)
・「仕入税額控除の個別対応方式における用途区分の判断基準~ムゲンエステート第一審判決を題材として~」税理63巻6号(2020)
・「用途区分につき課税売上用途が『ごく僅か』でも『共通』売上対応分に該当するとした事例」税務通信3589号(2020)
<法人課税・組織再編課税>
・「組織再編行為に伴う借入れと同族会社行為計算否認―ユニバーサルミュージック事件最高裁判決」日本税務研究センター『最新租税基本判例80』(共著、日本税務研究センター、2026)
・「巻頭特集 対談 事業移転後の合併による欠損金引継ぎにみる法人税法132条の2の射程~大阪地裁令和8年5月21日判決、東京地裁令和8年6月18日判決を素材に~」T&Amaster1131号(2026)
・「行為計算否認規定を巡る動向-組織再編成・無利息貸付けの2 つの類型の検討」租税研究920号115頁(2026)
・「同族会社に対する無利息貸付けの行為計算否認」税務通信3878号(2025)
・「金銭債権の租税法上の『時価』評価のあり方について―DESにおける債権者・債務者に対する課税を題材として」税法学592号(2024)
・「対談 過大役員給与に関する裁判例の通時的分析」T&Amaster1031号(2024)
・「組織再編成に係る行為計算否認規定(法人税法132条の2)を適用して適格合併による欠損金の引継ぎを否認した事例」税務通信3787号(2024)
・「『実質的オーナー』とされる元代表取締役に支払った退職慰労金の損金算入を認めた事例」税務通信3655号(2021)
・「デット・エクイティ・スワップにおける債権の『時価』」税理62巻15号(2019)
・「ヤフー事件最高裁判決後初の法人税法132条の2に関する判断事例 “TPR事件判決”の問題点」税務通信3584号(2019)
・「弁護士費用の損金算入を認めながら『解決金』の損金算入を否認した事例」税務通信3575号(2019)
<相続・事業承継・財産評価(総則6項)>
・「従前所有の土地上に相続開始前に建築された賃貸用建物への『総則6項』の適用を認めた事例」税務通信3902号(2026)
・「いま押さえておきたい事業承継の基礎[第1回]実務家のための事業承継総論」Business&Law ARTICLES(2026)
・「東京高裁令和6年8月28日判決・仙台薬局事件」T&Amaster1050号(2024)
・「M&A準備中の非上場株式の相続税評価(東京地判令和6・1・18)」NBL1267号(2024)
・「非上場株式につき総則6項により通達評価額を上回る価額でなされた課税が争われた事例」税務通信3746号(2023)
・「非上場株式の相続税評価について『株特外し』を否認した上で総則6項を適用した事例」税務通信3719号(2022)
・「遺言の執行をめぐるトラブル対応における留意点」税理65巻6号(2022)
・「取引相場のない株式に係るみなし譲渡課税における配当還元方式の適用の可否―最判令和2年3月24日差戻し」税理63巻8号(2020)
・「相続放棄を巡る熟慮期間の起算点について~再転相続に関する最判令和元年8月9日」税務通信3580号(2019)
・「特別企画 所有者不明土地解消の実務 共有制度」税務弘報71巻4号(2023)
<国際課税>
・「国外関連者への株式譲渡に係る寄附金課税に関してDCF法による時価が争われた事案」税務通信3670号(2021)
・「船舶を定期用船に供した後に販売する事業に関するタックスヘイブン対策税制の適用事例」税務通信3628号(2020)
・「移転価格課税と国外関連者に対する寄附金課税―国外関連者に対する役務提供を例として」税経通信74巻10号(2019)
<その他>
・『国税組織の実務経験者が説く 弁護士として気付きたい 法律相談事案の隠れた税務問題』第一法規(2025・共著)
・『裁決を読み解き実務に活かす裁決事例50選 実務へのフィードバック』税務研究会(2025・共著)
・『対話でわかる租税「法律家」入門』中央経済社(2024・共著)
・『弁護士が弁護士のために説く 債権法改正』第一法規(2016・共著)
・「大座談会 元国税審判官が集い語らう審査請求の実態」税務弘報71巻12号(2023)
・「特集 加算税賦課の適正性の判断軸―『正当な理由』と変更・周知の有無の判定のあり方」税務弘報70巻10号(2022)
・「特集 所得拡大促進税制の徹底活用ポイント 税理士の損害賠償責任とその回避策」税理63巻4号(2020)