概要
中小企業から上場企業まで、様々な業種のクライアント企業からのご依頼により、会社関係訴訟とM&Aを中心に企業法務全般を取り扱ってきました。また、国税組織内の最終判断機関(東京国税不服審判所)で国税審判官として数多くの審査請求事案を調査・審理した経験を有しております。
このような経験を活かし、特に、訴訟・紛争解決においては、判断機関において争訟を審理した経験に基づく戦略的・効果的な主張・立証活動を行い、また、租税法分野の案件においては、最新の租税争訟に関する知見と国税職員の目線を踏まえたアドバイスを提供します。
主な関与実績等
<税務調査・審査請求・租税訴訟>
国税審判官として、また納税者代理人として、数多くの租税争訟に関与した経験に基づき、受任前に的確な見通しをご説明するとともに、受任した案件では「勝ち筋」を見極め、戦略的な主張を行うべく最善を尽くします。当方が税務調査・審査請求・租税訴訟において関与し、納税者の主張が認められた最近の主な案件として以下のものがあります。
- 中小企業税制の適用の有無に関する税務調査における意見書作成(2024)
- リベートの所得の帰属に関する税務調査における意見書作成(2024)
- 非上場株式の所得税・法人税法上の評価に関する意見書作成(2023)
- 固定資産税課税処分の取消訴訟(2023)
- マンション販売取引における課税に関する複数の審査請求(2023、3件)
- 事業承継税制による贈与税納税猶予に関する徴収処分の審査請求(2023)
- 消費税課税に関する税務調査における意見書作成(2022、2023)
- 親族内株式譲渡に対するみなし贈与課税に関する税務調査における意見書作成(2022)
- 相続税の税務調査における美術品の評価に関する意見書作成(2022)
<税理士業務支援・税賠事件対応>
民商法等に関する法律問題はもちろん、税務に関することであっても、税務通達等によっては明確な判断が困難な問題、税務調査において指摘を受けるなどして争訟に発展することが予想・懸念される問題等について、顧問契約等により継続的にご相談を受け、租税法の解釈・適用や、その適用の前提となる事実関係・法律関係の検討を中心に助言を行っています。
また、税理士が税務上又は会計上の処理の誤り等について顧客から損害賠償請求を受ける、税理士賠償責任事件(税賠事件)についても、被告(税理士)側はもちろん、原告(顧客)側でも代理人として訴訟に関与し、いずれの案件でも実質勝訴といえる内容の和解により解決した実績を有しています。
そのほか、税理士事務所の税理士・職員向けに、税理士業務において必要となる法務面の知見・スキル(法的三段論法などの法的思考、事実認定・契約解釈、裁判例・裁決例の読み方等)や税賠に関する紛争の予防・対策に関する研修を行っています。
<事業承継・経営紛争>
クライアントの事業・資産の承継について、それぞれのご要望・ご事情に応じた最適解をご提示できるよう、家族法・相続法、会社法・M&A、金融商品取引法、信託法等の各法分野と税務面にわたる幅広い知見を活かし、また必要に応じて所内外の専門家とも連携して、横断的・総合的なリーガルサービスを提供しています。また、同族内の経営紛争や租税争訟での経験を踏まえ、親族内紛争や税務紛争の予防に関する助言を行うとともに、万が一紛争が生じた場合でも、交渉から訴訟の代理まで一貫した対応が可能です。
<M&A>
- 各種メーカー、各種小売業、印刷業、アミューズメント・リゾート施設運営事業、金融商品取引業等の各事業分野における中小・上場企業のM&A案件におけるデュー・ディリジェンス、契約交渉等
- MBO、親子上場解消その他の利益相反的構造を有するM&A案件
- 各種スクイーズアウト手続
経歴
1985年6月 | 京都市生まれ |
2004年3月 | 滋賀県立膳所高等学校卒業 |
2008年3月 | 京都大学法学部卒業 |
2010年3月 | 京都大学法科大学院修了 |
2011年12月 | 司法修習修了(新64期)、弁護士登録(~2016年6月) |
2012年1月 | 三宅坂総合法律事務所入所 |
2016年7月~2019年7月 | 国税庁・東京国税不服審判所勤務(国税審判官) |
2019年7月 | 北浜法律事務所入所、弁護士再登録 |
2019年11月 | 税理士登録 |
2022年1月 | 北浜法律事務所パートナー就任 |
公職・役職など
- 日本税法学会会員
- 第二東京弁護士会税法研究会会員
- 近畿弁護士会連合会税務委員会副委員長
著書・論文
- 2024年9月「実務家が知っておくべき「最新未公表裁決」 第64回 ATMの相互利用に係る手数料の用途区分」税務通信3818号11頁
- 2024年6月「対談 ~裁判所の判断における新たな傾向を探る~ 過大役員給与に関する裁判例の通時的分析」T&Amaster(2024.6.17)号
- 2024年6月「M&A準備中の非上場株式の相続税評価(東京地判令和6・1・18)―「租税回避行為」がなくとも通達評価が否認される場合はあるのか」NBL1267(2024.6.1)号
- 2024年3月「対話でわかる租税『法律家』入門」(中央経済社)共著
- 2024年1月「組織再編成に係る行為計算否認規定(法人税法132条の2)を適用して適格合併による欠損金の引継ぎを否認した事例」税務通信3787号14頁
- 2024年1月 「巻頭特集 対談 消費税争訟事案の現状と展望」T&Amaster1010号1頁
- 2023年11月「大座談会 元国税審判官が集い語らう審査請求の実態」税務弘報71巻12号121頁
- 2023年9月「提携金融機関が設置したATMに係る費用につき課税売上割合に準ずる割合を認めた事例」税務通信3768号17頁
- 2023年7月「転売目的でなされた居住用賃貸建物取得の仕入税額控除を巡って」税経通信78巻7号83頁
- 2023年4月「特別企画 民法改正等で見直された所有者不明土地解消の実務 共有制度」税務弘報71巻4号130頁
- 2023年3月「非上場株式につき総則6項により通達評価額を上回る価額でなされた課税が争われた事例」税務通信3746号14頁
- 2022年10月「特集 加算税賦課の適正性の判断軸:税務当局による見解の変更―「正当な理由」と変更・周知の有無の判定のあり方」税務弘報70巻10号56頁
- 2022年9月「非上場株式の相続税評価について「株特外し」を否認した上で総則6項を適用した事例」税務通信3719号29頁
- 2022年5月「遺言の執行をめぐるトラブル対応における留意点」月刊税理65巻6号
- 2022年3月「土地の返還に伴う建物解体費用の用途区分が共通対応であると判断した事例」税務通信3695号16頁
- 2021年9月「国外関連者への株式譲渡に係る寄附金課税に関してDCF法による時価が争われた事案」税務通信3670号11頁
- 2021年5月「「実質的オーナー」とされる元代表取締役に支払った退職慰労金の損金算入を認めた事例」税務通信3655号12頁
- 2020年12月「エー・ディー・ワークス事件判決の検討~ムゲンエステート事件判決との違い~」旬刊速報税理39巻35号28頁
- 2020年11月「船舶を定期用船に供した後に販売する事業に関するタックスヘイブン対策税制の適用事例」税務通信3628号15頁
- 2020年7月「取引相場のない株式に係るみなし譲渡課税における配当還元方式の適用の可否 ―納税者側勝訴の東京高裁判決を最高裁(最判令和2年3月24日)が差戻し」月刊税理63巻8号206頁
- 2020年5月「仕入税額控除の個別対応方式における用途区分の判断基準 ~ムゲンエステート第一審判決を題材として~」月刊税理63巻6号173頁
- 2020年4月「特集 所得拡大促進税制の徹底活用ポイント 税理士の損害賠償責任とその回避策」月刊税理63巻4号57頁
- 2020年1月「用途区分につき課税売上用途が「ごく僅か」でも「共通」売上対応分に該当するとした事例」税務通信3589号15頁
- 2019年12月「ヤフー事件最高裁判決後初の法人税法132条の2に関する判断事例 ”TPR事件判決”の問題点」税務通信3584号18頁
- 2019年12月「デット・エクイティ・スワップにおける債権の「時価」 ―DESにおける債権の時価は通常額面額よりも低いのか」月刊税理62巻15号149頁
- 2019年11月「相続放棄を巡る熟慮期間の起算点について ~再転相続に関する最高裁令和元年8月9日判決~」税務通信3580号20頁
- 2019年10月「弁護士費用の損金算入を認めながら「解決金」の損金算入を否認した事例」税務通信3575号19頁
- 2019年9月「移転価格課税と国外関連者に対する寄附金課税―国外関連者に対する役務提供を例として」税経通信74巻10号111頁
- 2016年2月「弁護士が弁護士のために説く 債権法改正」(第一法規)共著