Interview 弁護士インタビュー

M&Aで活躍する弁護士

酒井 大輔 弁護士

留学体験は、弁護士にとって一生の財産。

北浜法律事務所では、かねてより、若手弁護士の留学に力を入れています。今後は、英語を使用して仕事する機会が度々増えると思いますので、弁護士業務の将来を考えると、海外留学は極めて重要だと思います。

私は、日本で4年半ほど弁護士経験を積んだ後、米国のバンダービルト大学ロースクールに留学しました。米国留学は長年の夢でしたが、米国留学では本当に良い経験ができたと思っています。また、インドでの実務研修では大手監査法人にて1年間勤務させて頂きました。米国・インドでの経験は非常に有益で、特にインドでの経験は現在の仕事に直結しており、2010年に帰国してからも継続してインド関連の案件に取り組んでいます。

留学期間はわずか1年と短いので、私は留学中に力を入れる事項について優先順位を決め、できるだけたくさんの外国人とできるだけ深い関係を築くことを最優先事項としました。米国のロースクールは、世界中から優秀な学生が集まってきますが、学業で彼らと切磋琢磨し、余暇でも楽しい経験を共有することで、非常に深いつながりができます。彼らはロースクール卒業後米国において、または母国に戻って法律家として活躍しますが、ロースクール時代に築いたネットワークは、公私の両面において一生の財産だと思っています。

成長の刺激と醍醐味に溢れた渉外業務。

M&Aが専門ですので、取り扱う渉外業務の中でも中心的な業務はクロスボーダーのM&A案件になります。現在、6割程度は海外に関する業務を行っております。最近は、クロスボーダーM&Aのうち日本企業のリーガルアドバイザーとして日本企業の海外企業の買収(いわゆるアウトバウンド案件)のお手伝いをすることが多いです。アウトバウンド案件の場合、デューディリジェンスは対象会社の所在地国で実施され、買収契約の準拠法も対象会社の所在地国の法律となるため、対象会社の所在地国のローカルカウンセルと一緒に協働することになります。クライアントへのリーガルサービスのクオリティを高めるためには、たくさんの案件をローカルカウンセルと協働する経験を重ねることによりシームレスにクライアントにサービスを提供できるようになることが非常に重要であると感じています。また、アウトバウンド案件においては、協働する海外の一流の弁護士から学ぶところも多く、非常に刺激的なところもアウトバウンド案件の魅力です。

他方、クロスボーダーM&Aのうち外国企業のリーガルアドバイザーとして日本企業の買収(いわゆるインバウンド案件)のお手伝いをすることは、アウトバウンド案件と比較するとそれほどたくさんありませんが、最近は中国企業による日本への投資が活発化していることから、中国企業のリーガルアドバイザーとして日本企業の買収案件を取り扱う機会が増えてきています。インバウンド案件では、デューディリジェンスも日本で実施され、買収契約も日本法を準拠法として作成しますので、アウトバウンド案件よりも、日本法弁護士が活躍する場面が多いといえます。

今後、世界経済は益々ボーダーレス化が進み、アウトバウンド案件もインバウンド案件も増加していくものと思われますので、日本企業・外国企業のグローバルな事業活動のサポートをより一層強化していきたいと考えています。